シグナルリレーとMOS-FETリレー
弊社で販売している【40chリレーマトリックス/マルチプレクサー基板】で 使用されているリレーは、接点電流 MAX1Aのシグナルリレーを使用している。 【40ch MOS-FETリレーマトリクス基板】で使用されているリレーは、名称の通りMOS-FETリレーが使用されてる。 では、どのようにシグナルリレーとMOS-FETリレーが違うのか。 シグナルリレーは、有接点リレー(メカニカルリレー)でMOS-FETリレーは、無接点リレーに分類される。
メカニカルリレーと半導体リレーの特徴
- 【メカニカルリレー】
- 【半導体リレー】
- ◆長所
- ◆長所
- ①高絶縁・高耐圧
- ①長寿命
- ②サージ・ノイズに強い
- ②高速・高頻度開閉が可能
- ③開路時の漏れ電流がない
- ③感度が高い(低消費電力
- ④オン抵抗がほとんど無い
- ④振動・衝撃に強い
- ◆短所
- ◆短所
- ①接触不良の可能性がある
- ①定格値を一瞬でも超えると破壊される
- ②チャタリング・バウンスがある
- ②周囲温度の影響が大きい
- ③寿命がある
- ③オン抵抗がある
選定ポイント
選定する際にポイントとなるのは、電圧・電流定格、開閉寿命、出力側オフ状態、入力消費電力、動作時間、駆動電源、サイズなどがあげられます。
1.電圧・電流定格の考え方
メカニカルリレーの場合は負荷電圧や負荷電流が定格値を多少超えてもすぐに破壊されることは少ないのですが、半導体は一瞬でも定格を超えてしまうと破壊に至ってしまいます。このため突入電流のある負荷や、サージを発生する負荷などの場合、メカニカルリレーはある程度耐えることができるのに対し、半導体リレーは破壊に至ってしまうので注意が必要です。
2.開閉寿命
メカニカルリレーの場合は接点の消耗があるため、一定の開閉寿命があります。
これに対し半導体リレーは機械的な接点自体がなく長寿命となります。このため開閉回数の多い用途でのご使用や、メンテナンスの頻度を抑えたい場合には半導体リレーのほうが優位になります。
【40chリレーマトリックス/マルチプレクサー基板】で使用のG6J-Yシリーズは、
耐久性 機械的:5,000万回以上(開閉ひん度36,000回/h)
電気的:10万回以上(定格負荷 開閉ひん度1,800回/h)
3.出力側オフ状態
(1)出力側耐電圧
メカニカルリレーは、リレーの接点間が空間により完全にオープンとなり絶縁されています。
一方、半導体リレーでは、空間によるオープンではない為、
メカニカルリレーと比較して低電圧なアプリケーションに向いています。
(2)出力側漏れ電流
メカニカルリレーの場合、漏れ電流はほとんどありませんが、半導体リレーの場合は漏れ電流が流れます。
40CHMOS-FETリレーマトリクス基板で使用のG3VM-61E1は、
開路時漏れ電流:1uA
4.オン抵抗
メカニカルリレーの場合、オン抵抗はほとんどありませんが、半導体リレーの場合は品番に応じたオン抵抗やオン時電圧降下があります。
G6J-Yシリーズ 接触抵抗:100mΩ以下
G3VM-61E1 最大出力ON抵抗:1Ω
5.動作時間
半導体リレーの動作時間は、標準でもtyp1ms以下でtyp0.01ms(RF VSSOPタイプ)の高速なものもあります。
メカニカルリレーにあるバウンスもありません。
一方、メカニカルリレーはシグナルリレーでも数msとなります。
G6J-Yシリーズ 動作時間:3ms以下
G3VM-61E1 動作時間:2ms以下